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https://smbiz.asahi.com/article/14597290

朝日新聞社様が運営する、事業後継者アトツギに焦点をあてたwebメディア「ツギノジダイ」に取材頂いた記事が、ヤフーニュースに掲載されました。ほんの数年前は未来が見えなく、身内含め役員全員が会社をゆっくりと終えようと考えていた会社で、HPすら無く、人もどんどん辞め、ほとんど誰からも知られていなかった弊社が、このように取り上げて頂けるようになるなんて全くもって想像もしておりませんでした。今でもそんな弊社が掲載されて良いのかと恐れ多いのが本音です。

そして記事には書かれておりませんが、記載されている内容全ての背景に、私個人の恐ろしい程の失敗や迷惑をかけた過去実績が大量に存在するという重要な事を付け足させて下さい。順風満帆にスムーズにいったことなど何一つ存在しません。そして、それは現在進行形でございます。記事では、たまたまうまくいったような内容のみを、記者の松元様に素敵にまとめて頂いている、というご理解で読んで頂けると幸いです。

基本的に表面に出てくる情報は良く見える情報のみなので、その背後にある真実に目を向けることがこれから特に重要になるのではないかと思います。佐藤製作所も例外でなく、毎週、毎週、新しく発生する課題、難題と向き合っているのが現実で、安心して余裕をかますことなどあり得ない(怖くて出来るわけがない)と断言出来るのが、僕が発言する嘘偽りない事実です。毎日新しい課題が降り注ぐのが現実です。

さらに記事に補足して、僕は中小企業全てが、製造業全てが、無条件に最高だとは思いませんし言いたくありません(好きですが)。問題や課題が山積みだからです。しかし、目立っていないだけで素晴らしい会社が多くあるという事は自信を持って言いたいと思います。そして、そういった素晴らしい会社が、後継者不在や人材不足で廃業してしまう事が余りに多く、それをとても悲しいと思いますし、日本経済にとっても憂う事だと思っています。だからと言って、自分が何かを出来るなんて大それた事は思っていません。自分の事で毎日精一杯で。

今回弊社が取り上げて頂いた理由は、「スタッフの活躍」と「運、ラッキー」のおかげだと思っていますし、数ある失敗事例の中で成功したように見える事例のみが表面に出てきている、というだけだと自覚しています。というか、それが事実です。その中で一つ共有したいことは、色々なチャレンジを数多くすることでどれかが当たる可能性がある、ということです。逆を言えば、苦境に立たされている状態であれば何かしらチャレンジをしなければ現状は変わらないという事。というか、大なり小なり問題や課題を抱えていない企業など無いのだから、企業は常に何かチャレンジを続けていかないと、会社を存続出来ないと思っております。(因みに僕が今掲げている大きな課題の一つは、中小企業の稼ぐ力が弱いこと。)

それが中小企業においては、とっても大変な事は重々承知しておりますが。なぜなら、チャレンジに充てるリソース(人、時間、お金)が圧倒的に不足しているから。しかしそれでも素敵な会社が消えるよりは、やった方が良いと思っています。繰り返しますが、中小企業が新しいチャレンジをする事がどれだけ大変かは、理解している上で、それでもチャレンジをするべきだと思います。なので、新しいチャレンジをしている方々は僕は尊敬します。その背景の様々な苦悩が見えるので。

出来ない、という発言が最初に来てはいけないと思います。よく言われますが、どうすれば出来るのか?を考える癖をつける。そして今やっている何かを「辞める」。そういう思い切った決断をしないと、本当に中小企業でのチャレンジは厳しい事を痛感しております。

僕が素敵だなと思っている会社や、好きな会社(人)が、どんどん無くなってしまう現状が、本当に少しでも減ればいいなと毎日思っています。今は、毎月のように、人や会社が減っていっている現状を目の当たりにしています。僕は情けない事に自分の事で精一杯ですが、本当にお世話になっている方々において少しでも自分の経験等が役に立つのであれば、積極的に提供していきたいと思います。

ちなみに僕が提供できるのは、再現性の無い成功事例ではなく、再現性の高い失敗事例の経験です。野球の野村監督が好きなのですが、監督の言葉で有名な「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉の通り。こうしたら失敗した、という事例は多数あります。成功は、ほぼ運だと思っています。

最後に、今回色々とご尽力頂いた、杉本編集長及び素敵な記事にまとめて頂いた松元様、本当にありがとうございます。取り上げて頂いた皆様に対していつか恩返しが出来るよう、地に足を付けて愚直に、また良い報告が出来るようにこれからも毎日精一杯終わりなき課題達と向き合って行きたいと思います。これからも数多くの失敗を経験すると思いますが(大きい失敗9で小さい成功が1位のイメージ)、会社や自分の経験が誰かのお役に立てる事があれば嬉しく思います。

この記事を書いた人

佐藤 修哉

1986年生まれ
学芸大学で生まれ育ち、鷹番小学校から中学受験で慶応普通部に
慶応義塾大学理工学部電子工学部を卒業後、大学院に進学
卒業後IT企業を経て2014年に祖父が創業した佐藤製作所に入社
若手社員とのコミュニケーションと2人の息子の世話に励む

東京商工会議所 事業承継対策委員
東京都労働産業局女性従業員のキャリアアップコンサルタント
https://www.josei-jinzai.metro.tokyo.lg.jp/program-introduction/instructor-introduction/shuuya-sato/