アルミのロウ付け・ハンダ付け

アルミろう付け・ハンダ付けの特徴

  • 気密性(密閉度)が高い
    アルミのろう付けは、母材の隙間にろう材を溶かしこんで接合する溶接技術です。そのため、隙間にろう材が入り込むことで、内部の気密性(密閉度)を高く保つことが可能です。液体や空気、また電波に至るまで、外部に漏らさないことが出来る技術です。この特性を活用し、アルミ製の「ヒートシンク」「水冷筐体」などの製品に利用されます。
  • 母材の外観を保持出来る(母材を溶かさない)
    ロウ付けの大きな特徴として、母材を溶かさないことが挙げられます。そのため、一般的なTig溶接、アルゴンガス溶接と異なり、製品自体を溶かすことがないので母材の外観を保持することが出来ます。外観にエッジが必要である製品や、母材の溶けによる変形や凹みがNGの製品に利用されます。
  • 薄板にパイプや部品を溶接することが出来る
    母材を溶かさないため、薄い板にも部品を溶接することが可能です。板にパイプをアルミロー付したり、アルミのボスをロー付したりすることが出来ます。
  • 微細な部品や細いパイプを溶接することが出来る
    こちらの特徴も、母材を溶かさないアルミロウ付けの利点を活かして出来ることです。小さい部品や細かい製品、細いパイプや棒においても、アルミロウ付けで接合することが出来ます。母材を溶かすTig、アルゴン溶接では対応が出来ない溶接です。但し、このように小さく肉厚が薄い程、ろう付けの加工難易度が高く、熟練技術が必要となります。
  • セラミック、銅、ステンレスなど、異なる種類の金属を接合することが出来る
    ヒートシンクやシールドケースなどに応用されますが、アルミと異種金属の接合をするにはロウ付けやハンダ付けが必要です。最近ではセラミックとアルミのハンダ付けなどといった、高難易度のアルミ接合技術研究に取り組んでおり、実績も多数あります。
簡単解説!

アルミろう付けが「難しい」と言われる理由

アルミのロウ付けはんだ付けの方法は、銅や真鍮のロウ付けとやり方が同じです。しかし温度や融点が異なります。

アルミのロウ付け溶接が難しい理由は、ロウ付けしようとしているアルミ部品の融解温度(とけてしまう温度)と、アルミをロウ付けする時に接着剤となる、アルミのロウ材(はんだのような銀色の棒です)の溶ける温度が非常に近似していることが理由です。なので失敗や不良が多くなります。

つまり、接合しようとして、ボンドの役割を持つアルミのロウ材を溶かして流し込むときに、接合しようとしているアルミの母材自体もドロドロと溶けてしまう、ということです。

なので、真空炉などで厳密な温度管理をする以外、大気中で手作業で行うアルミのロウ付けは、まさに職人のウデが試される希少な技術である、ということが言えるのです!

弊社でも、アルミのロウ付けを高レベルで出来るメンバーは限られていますが、それだけ希少性の高い技術なので身に着ければ付加価値の高い職人になれるということですね。

製品一例

  • 冷却関連の製品(内部に水を通して製品を冷却。気密性・耐熱性ともに重要)
    冷却管、水冷フィーダ、水冷ジャケット、水冷ヒートシンク、水冷筐体、冷却板、など
  • 無線通信用の製品(電波を扱うため、気密性が重要)
    導波管、テーパー管、ホーンアンテナ、給電管、分配器、結合器、トランジューサー、放電管、など
  • 研究機関や大学向けの製品(アルミの溶接品)
    試作品、特注品、オーダーメイド品、など

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