「やってみよう」「やりましょう」

 

安定した経営を継続していく為には、常に新しいチャレンジや変化が必要だと思います。
そう思う理由は、社外環境が常に変化し続けているからというシンプルなものです。

ここでいう新しいチャレンジとは、「新しい仕事を生み出す」ということです。
要するに、新たに売り上げを伸ばす為の行動です。

例を挙げれば、新しいお客様を増やす、新しい事業を立ち上げる、社員が新しく出来ることを増やす、
などでしょうか。

しかし当然ですが、既存の仕事に集中し尽力する、ということも大切です。
重要なことは、会社経営には双方の意識が必要だということです。

だが弊社のように少数で事業をしている会社では、日々の仕事をこなすことで精一杯となりがちです。
その理由もシンプルで、人数が少ない為新しい事にトライする余力が会社に無いという事です。

矛盾してしまいますが、私はこの双方の意識を常にバランス良く持つように、強く心がけております。
自分自身も、その意識、というか危機感を持っていないと日々の作業に集中し、気づいたら仕事もお金も会社に無くなっていた、ということになりかねないからです。

優秀なメンバーがいても、仕事がない、お金もない、となれば会社は一気に傾きますし
全責任は役員、経営者が負うのは当然の事だと思います。そうなってはいけない、と常に意識しています。

この意識を常に持ち、会社や会社を取り巻く環境を俯瞰し、様々なバランスを保つということが今の私の重要な任務かと思います。
先の話をすれば、私以外にこのような意識を持つ幹部をこれから育て上げ、任せる、ということをしていく予定です。

新しい事にチャレンジする際には私が意識するだけではダメで、前向きに協力してくれる仲間が必要不可欠となります。
私が若手の採用や教育に力を入れている大きな理由の一つが、一枚岩となって「一緒にチャレンジする仲間を増やす」ことです。

正解か不正解かやってみないと分からないことだらけですが、可能性が少しでもあればGOをかけるようにしています。
ここで、第一声に不満や否定や文句が出てくるような会社では、絶対に新しいチャレンジは成功しないと思います。

私は、この意識に関しては役員含めた全社員に持つよう、入社以降継続して伝え続けています。
それだけ重要なことだと思うからです。そしてそれが数年かけて、最近になってようやく浸透してきたように感じます。

それが形になった最近の事例が【ロウ付けの出張作業】です。

内容としては、社内で行っている銀ロウ付けの仕事を、出張して屋外で行うというものです。
しかし弊社では創業以来60年以上社外で作業した実績が無く、不確定要素が多い仕事でした。

今までも何件かお問い合わせを頂いていたのですが、未だ時期早々だと判断し断っておりました。
しかし先月ご依頼を頂き、今ならいけるのではないかと判断し、私がGOをかけました。

結論から言えば、仕事は成功し、無事完了しました。
私の決断に即時に前向きに協力し、行動してくれたのは2名の若手社員でした。

社内では、当たり前ですが、未経験で、失敗のリスクがあるので、やめた方がいいと反対意見が多かったのですが
私の見通しでは成功確率が高く、どうしても会社としての実績を作りたい案件でした。

当然、反対意見を述べているベテランの方々は、経験に基づいて心配してくれているから、ということも重々承知でしたが、
それを振り切って若手に協力を依頼したところ、意外にも「出来ると思います」という反応でした。

出来る出来ないを別にして、「やってみたいんだ」という想いに対してすぐに前向きに「やりましょう」
と言ってくれる仲間が出来たということに、単純に嬉しい気持ちで溢れたことが印象に深く残っています。

私の実体験を基にしているので一概には言えませんが、人を説得する、ということには相当のエネルギーが必要で、
その相手が年齢や立場が上の方を複数名、となると体力も精神力も相当使い、自分自信が疲弊してしまうことが多かったです。

それがこうもスムーズにいくと、気持ちが良いものなのかと、恥ずかしながら感じてしまいました。
当然仕事にも力が入りますし、前向きに関われますし、皆が同じ方向を向いているので色々な意見が出ます。

そして今回は、さらに結果まで出してくれた。これは本当に素晴らしいことだと思いますし、
本人たちも多少なりとも自信に繋がったのではないかと感じます。

また、実績を作った若手に対してはよくやったなという意見もベテランから出ましたし、
会社としても新しい事業となりました。2人には本当によくやってくれたという気持ちで一杯です。

今回はうまくいきましたが、今後新しいチャレンジを重ねる上で失敗するケースもあるでしょう。
しかし、それでも新しい事にチャレンジする気持ちを持ち続ける事が大事で、弊社はそういう仲間を求めていきたいなと思います。

最後に誤解されないよう改めて繰り返しますが、チャレンジする人だけが良いのではなく、
「日々の仕事に没頭する事」と「チャレンジする事」を「平行して行っていく」事が大事だということです。

それが出来る会社の地盤や環境づくりを、私が頭になって責任を持って、していきたいと思います。
今回は本当によくやった!

この記事を書いた人

佐藤 修哉

1986年生まれ
学芸大学で生まれ育ち、鷹番小学校から中学受験で慶応普通部に
慶応義塾大学理工学部電子工学部を卒業後、大学院に進学
卒業後IT企業を経て2014年に祖父が創業した佐藤製作所に入社
若手社員とのコミュニケーションと2人の息子の世話に励む

東京商工会議所 事業承継対策委員
東京都労働産業局女性従業員のキャリアアップコンサルタント
https://www.josei-jinzai.metro.tokyo.lg.jp/program-introduction/instructor-introduction/shuuya-sato/