東京MXテレビのニュース番組内にて、2022年9月14日に放送されました。
東京商工会議所主催の勇気ある経営大賞という顕彰制度において、弊社が第20回【特別賞】を頂けたことがきっかけでした。
https://s.mxtv.jp/mxnews/kiji.html?date=1yfnq11ab86tpyvfv
番組サイト内でもとても丁寧にご紹介頂いております。感謝致します、ありがとうございました。
以下、サイト内の紹介記事
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過去のやり方にとらわれず挑戦を続ける企業に贈られる東京商工会議所の「勇気ある経営大賞」が決まりました。今年の特別賞には、女性の力を生かして見事に黒字経営に転換した東京・目黒区の企業が選ばれました。
東京商工会議所の「勇気ある経営大賞」で特別賞に選ばれたのは、金属の加工を行う目黒区の「佐藤製作所」です。9月8日に開かれた授賞式で選考委員長は「女性の優秀な人を取り込めたら勝ち。特に中小企業はそうだと思う。絵に描いたように復活した」と評しました。
佐藤製作所は創業から66年もの間、さまざまな製品の部品を作っています。中でも強みは銀でできた棒を溶かして金属を接合する「銀ロウ付け」で、都内で対応できる企業が数カ所しかないという職人技です。
しかし、長年その技術を継承する中である大きな課題を抱えていました。それは「もともと男性のベテランだけで、社内でのコミュニケーションは全くない。空気も暗く管理もがさつ。納期が遅れたり不良品を多く出してしまったり、管理面もぼろぼろという状況になっていた」(佐藤修哉常務)ということです。
職人気質で無口な人も多く、ベテラン社員の平均年齢が60歳に迫る中、佐藤さんが決断したのは業界では異例となる「新卒の女性技術職人の採用」でした。佐藤常務は当時を振り返り「改善をしないと今後、会社がなくなってしまうと思った。改善する力が女性にあると感じて、女性の力を借りて会社を改善しようと思った」と語ります。
2015年からこれまでに3人の女性が技術職で採用されています。入社3年目の佐々木彩佳さんは「学生時代は木で椅子や作品を作っていた。『銀ロウ付けって何?』というところから興味を持ち始めた。ものづくりでは一緒かもしれないが、違う世界に飛び込めるきっかけになると思って入社した」と話します。
佐藤常務は女性による変革に社運を賭けました。しかし、始めた頃の「抵抗勢力」は想像以上だったようです。中には「新卒で腕もないし未熟な、しかも女性で力もない。そんな人をどうして採用するのか」など社内では反対する声が上がり、当初、賛同してくれる人は誰一人いなかったといいます。しかし共に働く中で、その意識は徐々に変わっていきました。佐藤暢宏専務は「最初は『女性に本当にできるのか?』という抵抗もあったが、一緒にやってみると全然そんなことはなかった」と話します。ベテラン社員が女性社員に教えるため会話も増えるなど、社内の雰囲気は明るくなり、会社は活性化していきました。また、女性社員によるきめ細かな商品管理で、不良品の発生もほぼゼロになりました。
こうして、佐藤製作所は長年続いた赤字から黒字へと転換しました。まさに女子社員たちが“救いの女神”となったのです。男性の職人ばかりの世界に飛び込むには当初、不安もあったと佐々木さんは振り返り「コミュニケーションの部分でも突っぱねられるようなことはあるのかなと思っていたが、実際には全然なかった。温かくて居心地がいい場所だと入社して思った」と話します。
佐々木さんは現在、金属加工だけでなく、若い感性を生かして広報誌を手がけるなど活躍の場を広げています。佐々木さんは「銀ロウ付けを知らない人はまだまだいると思う。実際にやってみせてほしいという声もあるので、気軽にできるような機会も設けたいと思う」と語ります。
若い女性たちに開かれた“金属加工業の扉”──。吹き込まれた新たな風が変革を起こしています。