ささやかな喜び

若手に技術指導

最近何回か、少し仕事で残ったメンバーと、近場で晩御飯を食べて帰ることがあった。(残業無いんじゃないんか、というツッコミは一旦無しで)

僕はそういう時に、必ず僕が入社したころの、数年前の会社の様子を思い出してしまう。会社に仲間がいて、雑談が出来て、気軽にご飯を一緒に食べれるなんて状況は、120%あり得無い会社だったからだ。本当に今の状況が信じられなくなる時があるのだ。どこかで俯瞰して見てしまうのだ。

ただ、僕はそういった、会社に仲間がいて、雑談ができて、一緒にご飯を食べれるような状況を、夢見ていたことは揺るぎない事実だ。その真逆の状況から、何故か運良く、望んでいたような仲間に恵まれて、今に至っているのだが。

何が言いたいかと言うと、僕は、ただ会社の仲間と、普通にご飯を食べているその状況に、喜びを感じる人間になった、ということだ。これはカッコつけている訳でもなく、狙っている訳でもなく、心の底からそう思っているのだ。

「社員と飯行くなんて普通だろ」、と、僕もかつてはそう思っていた時期があったし、前にいた会社では、事実同期と毎日ランチをしていた。そしてそれに喜びを感じる事は特になかった。会社で同期とお酒も飲むし、雑談だって沢山した。楽しかったが、それに喜びを感じる事は無かったと思う。

しかし、佐藤製作所に入ってから、それが当たり前では無い、ということを痛感した。雑談も無いし、仲間もいない、楽しみを共有したり、愚痴をこぼす相手もいない。毎日会社では1人だった。さらに、赤字・高齢化といった会社の状況と合わさって、とても辛かったが、今思うと、この経験を出来て良かったなとも思える。(もう一度やれと言われたら、もう出来ないが)

昔の夜の工場(毎日1人で掃除していたが夜怖かった思い出があります)

なぜ良かったかと言えば、そういう状況を経験したことで、何のイベントもない、繰り返す普段の日常生活の中に、ささやかな喜びや幸せを感じる事が出来るようになった、ということだ。

もし、僕が佐藤製作所に入った段階で、気の合う仲間がいたら、自分が持ち上げられる状況だったら、会社が順調だったら、そうはなっていないだろうと断言できる。

何が正解か、という絶対的なものはこの世には無いという考えだが、僕は今の状況、要するに普通の日々の生活の中に喜びや幸せを感じられる、見つけられるということは、とても素敵だと思っている。そしてそういう風になれたのは、それと真逆の環境で苦しんだ経験があったからである。

話がフワッとしてしまっている気がするが、僕は、何の変哲もない、いつも通りの日常の中に、幸せや喜びを、自然に感じられる人、というより「見つけられる人」が、「本当に幸せな人」ではないか?と最近強く思っている。

なぜなら、繰り返す日常の中にそれがあるということは、日々満足しながら生活が出来ている、ということになるからだ。結局、日常に満足を感じる事が出来る人が、幸せな人だと、僕は今考えている。

しかし、ずっとそういう考えだった訳ではない。昔は周りのあらゆる人を羨ましがっていたような人間だった。まわりの皆が幸せそうで、僕もそうなりたいけど全然勝てないからダメだなと思って、全然日常なんかに幸せや喜びを感じていなかった。

だが環境が変わり、自分にとってかなり辛い状況に置かれ、その時に自分が本当は何を望んでいるかを知る事ができ、それを求めながら少しずつそれを手に入れていく過程で、今まであったのに気づかなかったものに、幸せや喜びを感じることが出来る人間になった(なってしまった?)、のだと分析している。

話を少し戻すが、日常の生活の中にあるものに、喜びや幸せを、「自然に」感じることが出来る人が「すごく幸せな人」ではないか?と書いたが、僕が重要だと思っているポイントは、「自然に」感じているかどうか、という事だ。

どういうことかと言うと、変に意識したり、思い込んだり、してないか?ということ。説明が難しいが。「私は幸せだ!」とか「最高!」とか、そういうテンションではない(意味わかりませんね)。とにかくそんな事すら意識せず、心で喜びや幸せを感じられる(SNSで発信するとかじゃない、いいねを気にするとかじゃない)、自分の心が満足しているか。本当の喜びは、そういう発信したり、発言したり、するものではない、気はしております。(じゃあブログはどうなんだ、という)

相対的にとか、比較してとか、そういった指標で何かを考えている間は、絶対にそうはならないのではないか、と思う。

乱文になってきたのでまとめたいと思うのですが、日々の生活の中にささやかな幸せや喜びを自然と見つける事が出来る人は、僕は幸せな人生を送っている人、だと本気で思うわけです。だって、毎日の生活の中に、満足や喜びを感じられる人であれば、気持ちも心も穏やかに過ごせるじゃないですか。

何でもいいんです、人それぞれなので。気の合うお客様がいる、とか、帰り道で美味しいものを買って帰れる、とか、趣味に使える時間がとれる、とか、楽しい内容の仕事がある、とか、ムカつく人が職場にいない、とか、今日いつもよりうまくいった、とか、定時に帰れる、とか何でもいいんです。十人十色。

そういうことを見つけられる人、感じられる人、と一緒に働いて行きたいとも思う訳です。なぜなら、そういう人であれば、心がそれなりに安定しているはずで、不平不満ばかり言わず、感情的に激昂したりしないだろうと。逆に、日々の日常生活に、不平、不満、文句ばかりを言って関わる人をネガティブにさせる人は本当に嫌でございます。

特に、辛い時や、苦しい時、逆境の時に、そういったマイナス方向に引っ張る人は一番嫌いです!(断言しました)。

チームの士気を下げる人はいくら能力高くてもごめんなさい、でございます。逆に僕は、士気を高められる人、はとてつもなく付加価値の高い人材だと思っております。

話を戻して、何に対して、喜びや幸せを感じるかは人それぞれなので、一概には言えませんが、僕は、一緒に働くメンバーには、それを沢山見つけて欲しいなと勝手に思っている訳です。

そして個々の「それ」を少しでも多く満たせるようなチームにしていきたいなと、本気で思っている訳です。全部は無理かもしれませんが。

でもそのためには、日々のコミュニケーションや人間環境、良い働く環境、がやっぱり最重要かなと思います。金稼ぐ為の仕事、でもありますが、良い人間関係や環境がベースに合って、稼ぐぞ!と気合が入る訳です。

なので、いつもの日常生活の中に、自分が幸せや喜びを感じる事が出来る要素、を沢山見つけていきましょう。と、息子にも伝えていきたいと思います。それを見つけたら、おそらく強いです。何かを判断するときの基準軸にもなりうるから。

人生は判断の連続ですが、自分の人生の判断の軸が決まったら、ぶれにくくなる気がします。周りを見て、比較して、決めるのはやめたほうがいいのかなと僕は思っております。そしてその軸は、人生のステージ(年齢)によって変わるはず。だから常に考え続ける事は大切かと。

ポイントは、周囲との比較は一切不要、外部情報も一切不要、答えは自分の心の中にしか無い、というのが僕の持論です。昔は周りばかりみて比較してましたが、一切やめました。

ちなみに今は、若い人が会社にいること、ベテラン勢が協力してくれていること、社内で会話があること、チャレンジする時に協力してくれる仲間がいること、などの日常に僕は幸せを感じております。どれも昔無かったモノだからかもしれませんが。(毎日問題発生して課題山積みで大変なのですが、、、その中にささやかな喜びも少しある、という風に捉えてください汗)

SNS見ても、インターネット見ても、答えは無いし、見つからないです。逆に遠ざかる可能性が高まるかも?




~追記~(2023年4月7日)

令和5年4月3日に、新たに2名の新卒女性社員が仲間に加わってくれました。サレジオ高専卒デザイン学科から1名と、横浜美術大学美術学部クラフト専攻から1名。これで女性が8名になり、ほぼ50%の割合に。そして20代は9名となりこちらは完全に半数に達しました。そして、美術やデザインを学んできた仲間が0から4名になりました。

僕は、昔から、約半数が20代、約半数が女性、デザインや開発に強いメンバーが社内に複数いる状態、となった段階で始めようと考えていたプロジェクトがある。約8年程かかったが、ようやくそれを始められそうな状態になった。このタイミングを新たな変化点と考えていて、佐藤製作所はこれからまたさらに、色々な新しい事にどんどんチャレンジしてくことになると思う。

つまり、沢山の問題や失敗やつまづきが、沢山生まれるということだ。順調にはいかないのは確実に分かっていることだが、僕はこのメンバーで何とかチャレンジを続けていきたいと思っている。なぜならそのチャレンジを続けていくことが、皆の人生を豊かにしていくことに繋がると信じているからだ。

メンバーには申し訳ないが、色々大変なことが沢山おきると思う。でもそれが僕の、佐藤製作所の方針だということは変わらないので、何とか一緒に頑張ろう、と。僕は、仲間から見放されないように、自分の出来る事を精一杯やって、何とか全員が良い人生を送れるように頑張っていこうと思う。

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この記事を書いた人

佐藤 修哉

1986年生まれ
学芸大学で生まれ育ち、鷹番小学校から中学受験で慶応普通部に
慶応義塾大学理工学部電子工学部を卒業後、大学院に進学
卒業後IT企業を経て2014年に祖父が創業した佐藤製作所に入社
若手社員とのコミュニケーションと2人の息子の世話に励む

東京商工会議所 事業承継対策委員
東京都労働産業局女性従業員のキャリアアップコンサルタント
https://www.josei-jinzai.metro.tokyo.lg.jp/program-introduction/instructor-introduction/shuuya-sato/